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6月, 2015の投稿を表示しています

先入観の気付き - Be aware of your bias -

* English followed Japanese. ちょうど先日、アメリカの最高裁判所で同性婚が認められる決議が下りました。ここのところ、LGBT (Lesbian, Gay, Bi-Sexual, Transgender) をめぐる話題が続々と報道されいますが、もう少し広く視野を広げて先入観について少し考えてみます。 はじめに、先入観を持つことは良し悪しの話ではありません。先入観は、まえもっていだく固定的な観念のことをいいます。この固定観念からのみ発生した言動については良し悪しの判断をつけることが可能ですが、固定観念を持ってしまうこと自体は良し悪しをつけることができないと考えます。 逆説的に考えると、固定観念が存在するからこそ多様性も生まれると言えなくはありません。 すべての人が大豆は納豆の材料だと先入観を持っていたら、きっとお豆腐は家庭の食卓に並ぶことはなかったかもしれないと思うことがあります。 もちろん、寒天のように偶然発見されることもありますが。 つづいて、先入観は文化、慣習のたまものであり、言うなれば個性の表れの一つであることに注目してみます。固定的な観念は、簡単には保持することができません。家庭環境、社会環境、から使っている言語。最近ではそこから生まれる趣味嗜好がネット上でマッチしているネット上の環境も固定的な観念を育ててくれる要因になりえます。 つまり一人一人がもつ固定観念は、細かく細分化していくとすべて一致することは非常にまれと言えます。だからこそ、先入観は個性だと考えます。 先日友人が SNS に、かえるのうたの歌詞について投稿していました。 a. げげげげげげげげ ぐわっぐわっぐわっ b. ゲロゲロゲロゲロ ぐわっぐわっぐわっ これ、どちらが正しい歌詞かわかりますでしょうか? 実はどちらも正解と捉えることができます。地域や世代によってどうやら異なるようです。 最期に、気づくための方法です。私がよく使うのは「普通」もしくは「前から〜」と口にしてしまうことです。「普通」とはまさに、自らの先入観にもとづいた考えであることの宣言とも言えます。この二文字が頭をよぎったら、自らの先入観を知る良い機会です。例えば、先ほどのかえるのうたの例では、誰もが知っていると思われる「普通」の民謡から個性の類似性と相違性を確認でき

本を読んで - 中国人とアメリカ人

新しい本を読んでも、なかなか書棚に留めることが少ないのですが、こちらは久しぶりにまた秋頃に読み返そうと思った一つです。 中国人とアメリカ人 中国とビジネスをされている方、外資系に努められている方。 読んでみると頭のなかで点在していた情報が、整理されるかもしれません。 こちらの本では、著者の体験と数々のデータによって、中国人とアメリカ人の似ている所、異なる所。そして、日本人が国際社会で彼らとビジネス活動をはじめ各種生産的な活動を行う際に非常にヒントになる情報が説明されています。 読んでいてまず、思い当たるのが「普通」というのと「以前からそうしてきたので」というこの2つのキーワードです。 日本でとにかく老舗の会社やビジネスマンと話をすると、この2つのキーワードが頻繁に出てきます。とりわけ、一度成功した組織や人はよくこの言葉を口にします。 「普通」というのは、Generally とか Basically とも違うように思いますし、Usually に近いような気がしています。(拙い英語力からくるイメージですが) 統計的であったり、論理的な思考に裏付けされたものではなく、複数の感覚的な要因から「普通」という概念がまかり通っています。 また、「以前からそうしてきたので」も同様で、こちらも、「なんとなく」の域を脱しておらず、ただ変化を避けているような印象です。 そして読んでいく中で繰り返し示される日本人の良い所と、そこからくる欠点をみていて、ふと思い出されるのが「川端道喜」です。 「和菓子の京都」という本の中で書かれていますが、菓子職人であり、商人でありながら、時の権力者が変わってもスタイルを保ちつづけるには、愚直に良い物を作っていたからだけではなく、時代に合わせて権力や社会とバランスを取り続けていたことにあったという話が頭をよぎります。 川端道喜 この本の中で、師を越えようとするが、師を否定し、違う作風をつくろうとしないという話がありましたが、孔子が言うところの不惑であり、茶の本としては山上宗二記に書かれていたといわれる、師を左に右に違えよというところに通じるかと思いましたが、ここが一番難しいのではないかなという印象もあります。 交通も発達し、情報も、テクノロジーも垣根がなくなってくる時代。 国際的に活動する上では、自分のこと、自分