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インテリジェント システムとは何だろうか? - What is the intelligence of the system? -

* English follows Japanese

インテリジェント システムとは何なのでしょうか?  最近、ネットにかぎらず IT 系の雑誌やビジネス誌でも目にするこの言葉。しかし、どういった機能が "インテリジェント=高度な知的能力を持った” と呼ばれているのかいまいちはっきりしないところがあります。

現在、多くのシステムが手元の端末から入力されたキーワードを基に情報を探し、手元の端末に結果を返してくれます。キーワードを基にいかに期待に近いものが列挙されるかというところが、こういったシステムにおいては重要です。Google や Bing で検索した結果、上の方に可能であれば一番上に一番期待した結果が出ていることをユーザーは期待してキーワードを入力します。では、この検索の精度を高めていくことがインテリジェントなのでしょうか?

私はインテリジェントなシステムとは、この検索の精度を高めることだけではなく、ユーザーが気づいていない隠れた記憶からも情報ないしサービスを提供できるシステムではないかと考えています。隠れた記憶とは、今頭に浮かんでいるキーワードや期待している結果ではなく、記憶として知識として持っているけれども今の段階ではつなげることができておらず、実際にキーワードから繋がった時によりよいアイディアにつながる記憶や知識です。
このような体験は、すでに実際にほとんどの方が体験されていると思います。例えば、カラオケで歌の本をパラパラめくっていて「あ、これ懐かしい!」と思ったこと、雑誌をみていて目に止まった記事が新しいアイディアを生み出してくれたことなど。散歩の途中で出会った風景もそうです。キーワードからの検索は、あくまでもある程度の結果を期待して意図して情報を探すシステムであり、結果はその予想範囲のなか、超えたとしても結果はより詳細だったり有益な情報がでてくる範囲に留まります。
確かにこれらの精度を上げることも、期待値を超える結果を出すこともインテリジェント システムと言えるでしょう。しかしながら、隠れた記憶や知識を掘り起こして新しいアイディアやクリエイティブな活動につなげるような情報・サービスをあたえることもできて、インテリジェント システムと呼べるのではないかと考えます。

現在、多くのシステムは携帯やタブレット、パソコン、または自動販売機や街に設置されているるあらゆるデジタル機器から入力された情報が、クラウドシステム上にデータとして蓄積され、その結果が分析されて、また手元のデジタル機器に情報サービスとして戻ってきます。先日、日経で発表されていたアサヒ飲料の新しい自動販売機なども、このシステムに該当します。これらのシステムがインテリジェントに動いているか否かは、このプロセスにおいて結果が分析される仕組みにあるといっても良いかもしれません。日経ビジネス 2013.1.28 号に掲載されていたエドワード・ファイゲンバウム氏の言葉を借りるならば、What として送られてきた結果を、How - どのようにして - 分析していくのかということが重要になります。まさに彼の言う What to How がインテリジェント システムの重要なポイントになります。

Big Data やインテリジェント システムへの動きはまだ始まったばかりです。これらのシステムによって私たちの生活がより便利で創造的になっていくことは間違いありません。ぜひ、普段使っているデジタル機器とそのサービスの驚くような進化を楽しんでいただきたいと思います。


Recently, we are able to see the word, "Intelligent System", in any articles and documents.  However, what kind of features or working called as intelligent?

Most of systems provide information to you when you search on web or specific database system by using any keywords from your mobile, PC, Tablet, or any other digital devices.  And the results are listed following adequacy of your input keywords.  Moreover, we sometime wish its results would work more adequately as your expectation.   Does it really mean to pursue "Intelligent" in a system?

From my perspective, to work intelligently, however, I consider that the system should show or suggest not only adequate information, but also should express your hidden demand which you are unaware and feeling it better.   Generally, such information gives good impression to you.  Also, those impression draw an innovative idea from you sometime.   You have had felt similar behavior previously.   For example, you were able to bring back your memory of songs when you turn the pages of song books at Karaoke.  Of course, you are able to find a favorite song easily, which you want to sing, by searching keyword.  However, you cannot find the songs which are hidden in your memory.   On the other hand, you had been able to find your hidden favorite songs by turning song books randomly.  Also, once you find hidden songs, you are able to find the other hidden memories related to this song.  In this process, you are able to create one of a new way and to move forward your imagination on this way.   This is really creative activities which is caused by intelligent suggestion.

Currently, most of intelligent system works as gathering data from device, storing them into cloud server as Big Data, analyzing it on cloud, and putting updated information and programs into each device.   For example, Microsoft introduced their intelligent system approach at "http://blogs.msdn.com/b/windows-embedded/archive/2013/03/22/march-madness.aspx".  In this process, finding user's hidden memories and proposing products and services based on their memories are used at "analyzing it on cloud".   As of "Edward Feigenbaum" described in "Nikkei Business", What to How, this analyzing procedure is How.   To make people more exciting, "Intelligent System" should develop better How method by finding hidden memories.

Fortunately, spreading various gadgets, usage of Big Data, and cloud system are just on early stage.  From this point of view, our life and business environment will be better, and we are able to use more exciting tools and services not for a long time.

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